株式会社アスラ 代表取締役社長 林 茂之株式会社アスラ 代表取締役社長 林 茂之

お客さまに認めてもらえている。
そう感じるからこそ、期待に応えたいんです。

相手の考えを正確に理解し、
時間をおかずにアクションを起こす
システムエンジニア
株式会社アスラ
代表取締役社長
林 茂之

インフラと呼ばれる部分の設計・開発、保守・運用に特化したシステムエンジニアリングサービス(以下、SES)で確かな実績を有するアスラ。大手機械メーカーや官公庁などにエンジニアが常駐し、基幹システムを支える同社のサービスには、顧客満足を妥協なく追求し、現場での信頼関係をなによりも重視する林代表の矜持が息づいている。ロジカルとエモーショナルの両面から成果に切り込む同氏の想いとは――。


開発現場では、課題解決への徹底的なこだわりを具現化してきた

システムのインフラ部分に特化してSESを展開するアスラ。企業の課題に真摯に対峙し、お客さまにとことん寄り添う姿勢を持ち続けることで高い信頼を得る。この姿勢を打ち出し、貫いてきたのが代表の林氏だ。説明を尽くし、導き出した改善策は誠実に実行する。顧客が本当に満足できる課題解決を実現することにこだわるのが林氏の「流儀」である。

 40歳のとき、大手商社でSES業務に従事していたなかで、社内の基幹システムの保守・運用を担当する案件がありました。その基幹システムを構成するサブシステムのうち、4つのサブシステムを1つのチームで維持管理するミッションでしたが、メンバーの実務経験が浅いこともあって作業の進捗が遅れ、チームリーダーが苦心していたんです。私はその状況を見て、3つの点で進捗管理の方法を改善しました。

 1つは、チーム全体での進捗会議を廃止しました。それまで4チーム全体のMTGを60分かけて行っていたのを、課題を個別整理してチームごとに10分間ずつ行う方法に変更、時間のロスをなくしました。

 2つめは、会議で出た課題はその場で解決せず、管理者である私が持ち帰ってリーダーと検討し、答えを担当者にフィードバックする方式に変えたことです。会議でそろって悩むというムダな時間を削減することができ、一方で適切な指示が出せるようになりました。

 3つめとして、進捗管理表を毎日更新して担当者に手渡しする形に改善。進捗状況をこまめに把握し、能動的に計画を立てる習慣がついて、作業の進捗度合いが格段によくなりました。こうした具体的な施策を実行することで、作業内容の顧客満足度を高め、納期を順守する仕組みづくりができたのです。

システムのインフラ部分に特化してSESを展開するアスラ。企業の課題に真摯に対峙し、お客さまにとことん寄り添う姿勢を持ち続けることで高い信頼を得る。この姿勢を打ち出し、貫いてきたのが代表の林氏だ。説明を尽くし、導き出した改善策は誠実に実行する。顧客が本当に満足できる課題解決を実現することにこだわるのが林氏の「流儀」である。
システム開発では、精度の高い進捗管理が顧客の満足度向上につながる

積極的な現場改善によって、常駐先だった大手商社の担当者からも高い評価を得た林氏。それまで不透明だった案件の進捗度合いが、「すべてクリアに把握できるようになった」と喜ばれたという。こうした業務改善をなせる背景には、林氏が仕事のうえで活かしている「独特の思考法」があるという。

 情報の共有に齟齬が生じたり、進捗に弊害が出てくるのは、お互いの会話やコミュニケーションのなかにズレが生じることが多いからです。それをなくすために、私はいつも現場のスタッフとの会話のなかで、相手の話す事柄についての「仕分け」を行うよう心がけています。いろんなプロジェクトを経験していくと、人の話す事柄は、ほぼ4つ程度に分類できることがわかってきます。事実なのか、意見なのか、推測なのか、伝聞なのか…といった仕分けです。

 情報を整理して事実認識を進め、その把握に誤差をなくして共有を深める。作業を担当するSEの想いや感情の部分にも気を配りながら、現場での情報共有のズレをなくし、直面する課題をその都度クリアしていくことに努めたわけです。

積極的な現場改善によって、常駐先だった大手商社の担当者からも高い評価を得た林氏。それまで不透明だった案件の進捗度合いが、「すべてクリアに把握できるようになった」と喜ばれたという。こうした業務改善をなせる背景には、林氏が仕事のうえで活かしている「独特の思考法」があるという。
林氏にとってコミュニケーション力とは、「情報を正確に理解し、見合った答えを迅速に用意すること」

ロジカルな思考を重視する一方で、人の想いや感情の部分にも心を配りながら、相手との共感の度合いを高めていく。こうした林氏のコミュニケーションの土台はどのように形作られたものか。それは現在のIT業界に身を置く以前、法律系資格の受験指導校で務めた講師の経験が大きく影響しているようだ。

 大学を卒業し最初に在籍した、法律系資格の受験指導校時代に学んだことがありました。コミュニケーションの場では、つねに相手の頭の中にイメージが浮かぶように考えて話し、かつわかりやすい説明を心がけること。そして最終的には相手の気持ちを考えること。お客さまが本当に求めていることはなにか。目の前の人の考えをどのくらい理解することができ、実行できるかが重要だと学んだのです。 

 それを踏まえ、いまITの世界にいる私が考えるコミュニケーション力とは、「相手の考えを正確に理解して、時間をおかずにアクションを起こすこと」といえます。つまり案件において、与えられた情報から一歩も二歩も踏み込んで情報を正確に理解し、思考を先の先まで伸ばしたうえで、見合った答えを迅速に用意する。その繰り返しのプロセスにムダな時間をかけないことが、私が考える「コミュニケーション力」なのです。

ロジカルな思考を重視する一方で、人の想いや感情の部分にも心を配りながら、相手との共感の度合いを高めていく。こうした林氏のコミュニケーションの土台はどのように形作られたものか。それは現在のIT業界に身を置く以前、法律系資格の受験指導校で務めた講師の経験が大きく影響しているようだ。
技術者としてお客さまに満足してもらいたい――。こうした想いから会社を立ち上げた

顧客の要望には最大限応えなければ気が済まない性分。「お客さまがいないと自分は存在しない」とまで言うほど、要望に対してなにがなんでも食らいついていく姿勢を貫くのが林氏だ。つねに顧客本位のコミュニケーションを提供し、最後まで徹底して案件に向き合っていく考え方は、なにをきっかけに生まれたのだろうか。

 私は前職のSES会社で、ある挫折を経験しています。27歳のとき、入社して1年半で課長に任命され、常駐先の大手通信会社で部下50人の管理をまかされる立場になりました。私は一人前のIT技術者になりたくてこの業界に入ったのに、いきなりマネジメントで重責を担うことになり、大いに戸惑いました。部下からの要望に応えられず、上司からも怒鳴られる毎日で精神的に疲弊してしまい、31歳で自ら降格を申し出たのです。

 そして、東京の本社を離れ、縁もゆかりもない九州のとある自治体のシステムを運用する現場に異動。でも結果的に、この九州への赴任が、私にエンジニアとしてのやりがいを教えてくれることになりました。

 常駐先となった自治体は、全国の自治体に先駆けてITに関する最新技術を導入していました。そこで4年間みっちりシステムの勉強ができたことで、高いレベルでITスキルを蓄積することができたのです。

 よい仕事をすれば、お客さまに喜んでもらえて、信頼関係も深まります。仕事を直接評価してもらえることがすごくうれしくて、お客さまのために仕事をする楽しさを強く実感できたのが九州で過ごした4年間の財産でしたね。

顧客の要望には最大限応えなければ気が済まない性分。「お客さまがいないと自分は存在しない」とまで言うほど、要望に対してなにがなんでも食らいついていく姿勢を貫くのが林氏だ。つねに顧客本位のコミュニケーションを提供し、最後まで徹底して案件に向き合っていく考え方は、なにをきっかけに生まれたのだろうか。
「顧客の信頼に誠実に応えたい」という想いが、林氏と会社を成長させてきた

エンジニアとしての仕事の喜びを実感した林氏は、顧客満足のためのさまざまな施策を会社に提案していった。ところが多くの場合で組織の論理が優先され、認められることは少なかった。そこに限界を感じた林氏は、「本当にお客さまに満足してもらう仕事をするには、組織人では難しい」と考えて2005年に独立。6年間個人事業主で仕事をしたあと、43歳のときに株式会社アスラを立ち上げた。

 私がいつも大事にしていたのは、「お客さまに認めてもらえているからこそ、それに応えたい」という想いでした。認めて信頼してもらえたらうれしいし、そのためにがんばるという繰り返しが自分を成長させてくれたと思います。

 妻の実家がある高知で結婚式を挙げたときに、東京からたくさんのお客さまが個人的に出席してくれて、とてもうれしかったんですよ。ときには高いハードルのある仕事もありました。それらは、ひとりで乗り越えたというよりは、どちらかというと、お客さまと一緒に乗り越えたという感覚ですね。信頼関係がその根底にあったから最後までやり抜けた仕事がたくさんありました。だからこそ今後も現状に満足せず、学び続けていきたい。変わらずにお客さまに向き合い、信頼関係を築いていくことを大事にしたいですね。

 実は今、ITにこだわらない新たなビジネスも構想しているんです。私は埼玉県坂戸市の昔ながらの農家に生まれました。たくさんの自然に囲まれて育ったからこそ、農家や田舎を大事にしていく新しいビジネスをいま模索しています。IT業界はもちろん好きですが、それにこだわらない、別の生き方もまたおもしろいなって思っていますね。

 

ハードルは、ひとりで乗り越えたんじゃない。
お客さまと一緒に、乗り越えたんだ。

林 茂之(はやし しげゆき)
林 茂之(はやし しげゆき)
林 茂之(はやし しげゆき)
プロフィール

1968年、埼玉県出身。高校時代からコンピュータに興味があり、ゲーム「信長の野望」のプログラムを解析し、すべての項目で最高値を持つ「信長」を作り出して専門誌に紹介されたことも。そして法律系の受験指導校を経て、システムエンジニアとしてSES(システムエンジニアリングサービス)会社に入社。1年半が経過した29歳のときに課長となり、NTTのヘルプデスクを担当、50人の部下のマネジメントをまかされる。その後、九州で最先端のITシステムに触れ、高いスキルを蓄積。37歳のときに独立し、8年後の45歳で株式会社アスラを設立し代表取締役に就任した。

事業所概要

社名 株式会社アスラ
コーポレートサイト http://asura-net.jp/