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株式会社エリメントHRC 代表取締役 狩野 洋輔 / シニアコンサルタント・RAマネージャー 中野 雄介株式会社エリメントHRC 代表取締役 狩野 洋輔 / シニアコンサルタント・RAマネージャー 中野 雄介

「その人物の本質を見極める」
それができないなら
コンサルタントと呼べません。

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良質なマッチングとは
「意向と性質」「求人」とのあいだに
因果の橋を架けることなのです。
株式会社エリメントHRC
代表取締役
狩野 洋輔

書類選考通過率75%、最終面接からの内定率93%、内定受諾率94%――。圧倒的な実績をひっさげ、人材紹介業界で特異の存在感を放つ企業。それがエリメントHRCだ。実績の秘密は、創業者である狩野洋輔氏が築き上げた「エリメント流」と呼ばれる独自の仕事哲学にある。人工知能(AI)が人材の採用・選考まで担いはじめたこの時代に、自らの流儀を貫き、「人が介在する価値」を証明し続けているのが狩野氏だ。


自らの仕事を淡々と語るその表情の裏には、「人材紹介」という仕事に対する熱い使命感が隠されている

人と企業を結びつけるのが人材紹介業の役割だ。この仕事に携わるようになって以来、理想のマッチングの姿を追求し続けてきた狩野氏には、長年の経験の末に確信した信念がある。大切なのは、「徹底的に個人と向き合い、その人物の本質を見極める」ことだ。

 一般的な人材紹介会社では、職種やポジション、年収、勤務地など求職者の希望を聞き、それらの条件にマッチする企業をピックアップして紹介するというスタイルが多いんです。でも、果たして条件のマッチングだけで転職は成功するでしょうか。私はそうは思わないんです。

 「条件は合致しているのに内定にいたらない」、あるいは「入社してもすぐに辞めてしまう」。それは、求職者の「表面的な希望」にしか目を向けず、本質を理解していないからにほかなりません。

 そこで、私が何よりも重視しているのが、その人の「意向」という深層欲求の部分と「性質」という人それぞれの人間性の部分なんです。

 「意向」とは、「自分はこうしたい、こうありたい」という姿のこと。その人の生き方や価値観が反映された「根源的な欲求」のようなものと言えばよいでしょうか。一方、「性質」とは、その人の性格やキャラクターのこと。職務経験やスキルレベルのようなスペックにとどまらず、その人の人間性まで含めて理解する必要があります。

 この「意向と性質」を軸に、一人ひとりの求職者が、「本当は何を求めているのか」を、時間をかけて掘り起こすのです。その人の本質に根差した「真の転職理由」に基づいてマッチングを行う。私はよく「意向・性質と求人との間に因果の橋を架ける」という言い方をしますが、それこそが我々の流儀なのです。

人と企業を結びつけるのが人材紹介業の役割だ。この仕事に携わるようになって以来、理想のマッチングの姿を追求し続けてきた狩野氏には、長年の経験の末に確信した信念がある。大切なのは、「徹底的に個人と向き合い、その人物の本質を見極める」ことだ。
社内では定期的に勉強会を開催し、自らの流儀を社員へ浸透させている。
誰もが流儀を体現できる「組織としての力」を育成している。

人材紹介業の多くは企業担当と求職者担当は独立した別の職種として機能している。いわゆる「片面営業」だ。これに対して、エリメントHRCでは「両面営業」を導入。一人のコンサルタントが企業、求職者双方のニーズにきめ細かく対応する。

 「両面営業」など、私からすれば当たり前のこと。顧客企業から「この候補者はどういう人なの?」と尋ねられて、「担当に確認します」と回答を後回しにする営業なんて、他の業界ではあり得ないですよね。

 求職者に対しても、同じこと。企業の内情を知らない担当者から、表面的な条件だけで求人を紹介されても、本当に自分に合った会社かなんてわかりません。内定辞退や入社後に早期離職などが起こるのも、それが理由だと思っています。

 しかし、担当のコンサルタントが企業側の課題と求職者の意向・性質の両方を理解していれば、双方が納得したマッチングが可能になります。そればかりか、企業に対して新しい組織づくりやポジションの導入を提案するなど、求人を「創り出す」ことさえも可能なんです。

 そんな人材紹介業の魅力に気づいたのは、私自身がヘッドハンターと接する機会があったからです。新卒で入社した医療機器メーカーの営業として夢中で働いていたある日、同業の大手メーカーに移らないかと声をかけられました。当初は転職に興味はなかったのですが、自分に真摯に向き合ってくれ、将来設計を描いてくれたそのヘッドハンターに引き込まれ、いつしか私は声を掛けてくれた人材サーチ会社のほうに興味を持ってしまったんです。人を幸せにできる素晴らしい仕事だと感じて。そこで、頼み込んで入社させてもらったんです。

 小さな組織だったので、一人のコンサルタントがお客様である企業、求職者双方を担当。「どうしたら両者にとって特別な存在になれるか」「どうすれば介在価値を発揮できるのか」。そんなことをつねに考えていましたね。この時期の経験が、「エリメント流」の土台になっていることは間違いありません。

「人材紹介」という仕事に対する強いこわだり。狩野氏がそれを抱くに至った背景にあるのは、これまで築き上げてきた輝かしい実績や独自の流儀に対する自信ばかりではない。そこには、過去の苦い経験も作用している。

 海外では「人材紹介業」というのは、すごくステイタスの高い仕事なんです。企業にとっても、成長に寄与する選りすぐりの人材を紹介してくれる相手。リスペクトの対象であり、報酬も高いんです。

 しかし、日本では残念ながら、認知がまだまだ低い。起業して間もない頃のこと、資金調達の相談で金融機関に訪れた時のことは忘れられません。いくら丁寧に事業を説明しても、「人材紹介」を何度も「人材派遣」と言い直され、軽んじられる。まったく事業の価値を分かってもらえなかったんです。自分のこだわり、いや存在自体を否定されたようで、悔しかったですね。金融機関ばかりではありません。親族や友人であっても、「つまり、人材派遣でしょ?」と言われたこともあります。そんな経験を重ねるなかで、「人材紹介」という仕事への誇りを見出していったような気がします。

 

蓄積されたノウハウがまとめられた冊子は、社内のみならず同業他社にまで公開されている「バイブル」だ。

会社は急成長を遂げ、今やメディカル分野でトップクラスの転職実績を誇る。狩野氏が今最も力を入れているのが人材の育成だ。エリメント流の哲学や狩野氏が体得してきた長年の知見は「辞書」としてまとめられ、社員のバイブルとなっている。

 組織が大きくなって、哲学がぼやけ、流儀がうすれていくのが一番怖い。実は会社を立ち上げて、最初にぶつかった壁がそれでした。

 自分自身のなかでは、ポリシーは明確でしたし、それを実現するための技術や方法論も確立していた。問題は新たに加わった若い社員に、それをどう伝えていくかでした。

 そこで発信するメッセージがぶれないように、アドバイスを紙におとし形として残るようにしました。現在はその一つ一つが積み重なり一つの冊子となり、「辞書」と言う形で全社員に配布しています。ミッションやバリューなどの会社理念から、求職者の本質を探る面談の方法など、具体的な技術論まで網羅し、社員研修のテキストとして、迷ったときに立ち戻る原点として活用しています。

 最近では、社外に対しても「エリメント流」のノウハウをレクチャーする場も増えてきましたね。独立系の小さな企業ですが、我々の技術はどこにも負けないと自負しています。その技術を広く伝えていくことによって、人材紹介業に対する理解が高まり、業界全体の地位が上がるきっかけになれたらうれしいですね。

培ってきた知見を今後は
若い人たちに伝えていきたい。

狩野 洋輔(かのう ようすけ)
狩野 洋輔(かのう ようすけ)
狩野 洋輔(かのう ようすけ)
プロフィール

1972年、東京都生まれ。大学卒業後、医療機器メーカー、医療系サーチファームを経て、
2006年、株式会社エリメントHRC設立。

株式会社エリメントHRC 代表取締役 狩野 洋輔 / シニアコンサルタント・RAマネージャー 中野 雄介株式会社エリメントHRC 代表取締役 狩野 洋輔 / シニアコンサルタント・RAマネージャー 中野 雄介

求人がなくても良いんです。
それを創り出す仕事ですから。

他の人がやらないことにチャレンジしたい。
挑戦を後押しするのも
自分の役目だと思っています。
株式会社エリメントHRC
シニアコンサルタント・RAマネージャー
中野 雄介

医療機器や製薬会社などメディカル業界に特化した人材紹介会社であるエリメントHRC。この分野では業界トップクラスの転職実績を誇る同社で、シニアコンサルタントとして活躍するのが中野雄介氏だ。一人のコンサルタントが求職者と顧客企業を同時に担当し、両者の本質的なニーズをマッチングさせる。その独自のコンサルティングは、相手からの信頼なくしては成り立たない。


「言われた通りに動く『御用聞き』では務まらない」と語る中野氏。
提案を通じて相手を動かすことが仕事の醍醐味だ。

求職者一人ひとりの「意向」「性質」と、企業の求人とのあいだに橋を架ける。中野氏の仕事はそんなふうに表現されることが多い。「意向」とは、「こうしたい」「こうなりたい」という個人の目指すあるべき姿であり、「性質」とは、その人の性格や人間性を指す。表面的な条件に惑わされず、本質を見極めた上でマッチングするという意味だ。

 「意向」と「性質」を理解するには、とにかくヒアリングを重ねていくしかありません。シンプルな例で言えば、求職者が「年収を上げたい」と希望したとき、言葉通りに受け止めたら話はそこで終わりですが、「なぜ上げたいのか」「いくらなら満足するのか」「上がらないとどうなるのか」など、言葉の背後をさらに深掘りして聞いていくと、「年収を上げたい」に隠れた本質が見えてくるのです。

 以前、「年収を上げたい」と言って、外資系メーカーへの転職を希望していた方がいました。勤務していた専門商社では「なかなか給与が上がらない」というのです。

 詳しく話を聞いてみると、別会社に努める同世代の仲間と給与差が生じはじめており、その差を「一気に詰めたい」という思いが強かったようです。そのために「外資系メーカー志望」と言っていましたが、一過性の気持ちに隠れた真の意向は、安定的なキャリアと収入だったのです。そこには、この方の性質も関係しております。

 それだけの紹介理由ではないですが、本当に求める働き方の観点から、目先の給与の高い会社よりも、腰を落ち着けて働ける企業を選ぶほうが良いと考え、国内メーカーを紹介。無事に内定にいたり、現在もその会社で活躍されています。

求職者一人ひとりの「意向」「性質」と、企業の求人とのあいだに橋を架ける。中野氏の仕事はそんなふうに表現されることが多い。「意向」とは、「こうしたい」「こうなりたい」という個人の目指すあるべき姿であり、「性質」とは、その人の性格や人間性を指す。表面的な条件に惑わされず、本質を見極めた上でマッチングするという意味だ。
綿密なヒアリングで、求職者の「意向」と「性質」を見極める中野氏。
相手を徹底的に知ることからその仕事は始まる。
求職者のみならず、企業側との密なコミュニケーションも「最適な提案」には欠かせない。

エリメントHRCの特徴は、一人のコンサルタントが求職者も顧客企業も双方を担当することだ。企業と求職者の双方を深く理解しているからこそ、最適な提案ができるという。ときには、クライアントの課題を解決する「最適な提案」が、「求人を創り出すこと」であるケースも珍しくない。

 求職者へのヒアリングと同じように、企業の担当者にもいろいろ確認しますね。「なぜそのポジションが空いたのか」「前任者はなぜ辞めたのか」「何人構成の組織で、上司はどのような人か」――。求人情報には表れてこない課題や悩みも把握した上で、ときにはこちらから新しい組織やポジションを作ることを提案することもあります。いわば求人を創り出すわけです。

 実際、こんなことがありました。ある外資系メーカーでは、「生産部門のマネジャー」を求めていました。ただし、マネジメント経験や語学力など求めるスペックが非常に高く、かつ勤務地が地方の工場になることもあり、なかなか思うような人材を採用できずにいたのです。

 一方で、私が担当する求職者のなかに、候補になり得る方がいました。その方の「意向」は、「もっと成長できる環境を求めたい」というもので、仕事への意欲も高く、実務経験は十分にお持ちでした。ただ、マネジメント経験はそれほど豊富ではなく、語学力にも不安がありました。

 つまり、双方の求めるものが、ほんの少しずれていたのです。そこでまず候補者に対して、「いきなりマネジャーのタイトルでは入社できないし、年収も下がる。けれども頑張り次第で今以上のキャリア開発が期待できる」ということを伝えました。

 また、企業に対しては、求めるスペックの人材は転職市場でも数少ないことを調査し、「このままではずっと採用できない可能性がある」と説明。まずはその方を採用し、経験を積ませてマネジャーとして育てていく前提で、ポジションを新たに作ることを提案しました。

 結果として、最後の関門であったグローバル本社の外国人マネジャーによる面接も、当初のポジションと異なる事から選考目線を変えることに繋がり、総合的にネックが解消され、無事内定に至りました。

 私たちの仕事は、クライアントに言われた通りに動くだけではないのです。むしろ積極的にいろいろな提案をし、両者を動かしていくことが大事なのです。

エリメントHRCの特徴は、一人のコンサルタントが求職者も顧客企業も双方を担当することだ。企業と求職者の双方を深く理解しているからこそ、最適な提案ができるという。ときには、クライアントの課題を解決する「最適な提案」が、「求人を創り出すこと」であるケースも珍しくない。
転職という人生の大きな決断に携わる中野氏は、責任の重さを決して忘れないよう心掛けているという

人材紹介業は、人と正面から向き合う仕事だ。その人の生活や人生に直結する問題に、ともに取り組んでいく責務を担う。それは、人としてどれだけ信頼してもらえるのか、自分自身が試される場面の連続と言えるかもしれない。

 これは私の「性質」なのかもしれませんが、これまでになかったものを常に探し求めています。「誰もやっていなかったことを創り上げたい」、そんな挑戦が好きなんです。だから求職者に対しても、企業側に対しても、既存のやり方に縛られずに、新しいことに挑戦してほしい。その後押しをしていくのも自分の役割だと思っています。

 でもそうした提案に聞く耳を持ってもらえるかどうかは、どれだけ信頼を勝ち得るかにかかっています。単に求職者の希望条件にあった求人を探すだけなら、誰がやっても変わりはない。人間がやる必要さえなく、それこそコンピュータに探してもらっても良いわけです。

 人間関係は面白いもので、「中野さんでもできる」と思われているうちは、こちらから何を提案してもなかなか相手の心には響きません。ところが「中野さんだから、わかってくれる」「中野さんでなくては、こんな提案は出てこなかった」と思ってもらえる存在になると、相手のほうから耳を傾けてくれるようになるのです。本当に信頼を得られると、他社の案件まで「中野さん、どう思いますか?」と相談されるようになりますからね(笑)。

 転職というのは人生の大きな決断のひとつですから、そこに携わる責任の重さを決して忘れないよう心掛けています。「売上を上げたい」とか、「自分がこうしたい」とか、他人の人生を預かる私たちが、そんなエゴで動いてはダメなんです。企業のこと、候補者のことをどれだけ自分事として考えられるか。その人の性質になりきって考えて、そこで「良し」と思えるか否かが、実は最後の尺度だったりもします。

 これからも、そういった感性も大事にしながら、本質を見失わず、常に価値のあるサービスを提供し続けていきたいですね。そして「中野さんだから」「中野さんでなきゃ」と思ってもらえるような存在であり続けたい。今はそれが目標です。

「中野さんでも」ではなく
「中野さんでなきゃ」。
そんな存在でありたいですね。

中野 雄介(なかの ゆうすけ)
中野 雄介(なかの ゆうすけ)
中野 雄介(なかの ゆうすけ)
プロフィール

大学卒業後、株式会社USENに入社し、コンシューマ営業に従事。その後、商社での法人営業を経て、
2013年8月、株式会社エリメントHRCへ入社。

事業所概要

本社 〒143-0023
東京都大田区山王2-5-10 大森野村證券ビル4F
TEL:03-6809-9920
原宿オフィス 〒150-0001
東京都渋谷区神宮前6-28-9 東武ビル6階
TEL:03-6892-4208
URL コーポレートサイト
ニッポンの社長

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