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- 株式会社morich 代表取締役/オールラウンダーエージェント 森本 千賀子
「受けたご恩は倍返し」。
仕事が楽しくて
しかたがないんです。
価値観があうからこそ
尊重・尊敬しあい、輝き続けられるのです。
株式会社morich
代表取締役/オールラウンダーエージェント
森本 千賀子
「どちらの道を進むべきか」。人生における大きな分岐点。サラリーマンにとっての会社を変える「決断」。膨らむ期待とともに、逃げ出したくなる不安もつきまとう。そんな不安定な状況のなか、一筋の灯りを燈してくれる伴走者。この25年間で、2,000人にもおよぶ「決断」に寄りそい、新天地へと導いてきた転職エージェントが森本氏だ。「どんな人にも輝ける場所がある」との確信がある。
森本氏のもとには、転職希望者はもちろん、企業サイドからも数多くの求人要請がダイレクトに入る。人と企業の双方にベストな出会いを提供するには、双方の情報把握が必要。森本氏はその際、必ず守っていることがあるという。
人、企業から話を聞くときにもっとも気をつけていることは、「先入観をもたないこと」です。これまで私がお会いしてきたビジネスパーソンは約3万人、担当企業は述べ4500社。これだけ多く面談すれば、相手の基本的な情報のインプットで、それぞれ紹介先のイメージが脳裏に浮かぶようになるんです。でも、それが頭に入ってしまうと、そこからなかなか抜け出せなくなるんですね。本当はベストな紹介先があるかもしれないのに。
2年前の話ですが、定年後の第2のキャリアを相談された大企業の重役に、東北地方のオーナーカンパニーである薬局チェーンを紹介したことがありました。「大企業」「重役」という肩書きを超えて、価値観や考え方がフィットすると思ったからです。その方の「これまで培ってきた経営哲学を、どこかの企業に使ってもらいたい」というあふれんばかりの情熱と、間もなく4代目が継ぐその薬局チェーンの代表からの「後継者である息子に生きた経営学を指南・指導してくれる人材がどうしてもほしい」という必死の想い。私の経験では、これほどの「GAP」はまれなケース。先入観をもたなかったからこそマッチングできたと思います。
森本氏は、なぜこれだけ多くのマッチングを成功できるのか。それは「仕入れる情報内容」が一般的なエージェントと異なるからだ。その情報とは一体なんなのだろうか。
知りたい情報は「相手の価値観」です。転職は、企業と求職者の目に見えるハードな条件をマッチングさせただけでは本当の成功とはいえません。価値観のベクトルが同じ方向を向いているかどうかが大切なんです。結婚もそうですよね。双方の価値観、大事にしたいことが共感できるかどうか。価値観を認めあうふたりだからこそ、お互いを尊重・尊敬しあい、輝き続ける。将来的にちょっとした問題がおこっても、価値観の共有・共感があれば少々のことでは基礎は壊れません。
価値観を知るために必要となるのが、その人の体験談。どんなことでワクワクしたか、どのようなときに涙を流したか、辛かった経験や飛び上がるほど舞い上がったエピソードがあるか。相手のこれまでの体験のなかから印象的なものを聞きだし、その人の「今」がどう形づくられてきたかを積み上げます。そして、見つめる未来のビジョンをミックスさせて、どのような価値観なのかを把握するんです。これは企業の価値観を把握するときでも同じこと。ネガティブな内容も話してもらいますよ。服を一枚一枚脱がせ、その人のすべてをあからさまにする感じでしょうか(笑)。すべてをさらけ出してこその価値観ですから。そうでなければ、ベストなマッチングは実現しません。
求人以外にも商品やサービスの紹介依頼が多数舞い込む。そこでは、これまで築き上げてきた人脈が活きることになる。森本流の人脈形成術とはどんなものか。
相手の「応援団」になることを意識しています。応援の仕方はいろいろありますが、仕事でもプライベートでもいつでも「困ったときの“もりち”」と、一番に相談してみようと思ってもらえることがなによりもの目指す姿です。また、相手の応援団になれば、相手もいつか私がピンチになったときには応援団になってくれるもの。そのような積み重ねが最後には人脈になると思っています。
私はつねに一筆箋をもち歩いています。直接会えなかった方に「いつもありがとうございます」と一言メッセージしておく。また、部下や後輩が落ち込んでいるときに、伝えたい想いを、これまで集めてきた金言集から書き記してメッセージしておく。言葉にして伝えるよりも効果的なときがあるんですよ。
人脈づくりに王道はありません。ちょっとずつちょっとずつの積み重ね。「どれだけの知りあいがいるか」ではなく、「頼ってくれる人がどれだけいるか」が重要なんです。そうそう、名刺入れに「香袋」を忍び込ませ、名刺にいい香りがつくようにもしています。渡された相手はその香りに気づいたとき、少し幸せな気持ちになるじゃないですか。心配りであると同時に、「印象に残る」ための工夫でもありますね。
つねに明るく、真っ直ぐ前を見てイキイキと話す姿。力のある目で発せられる言葉には、頼もしささえ漂うパワーがある。
確かに、自分でもつねに前向きで元気だと思います(笑)。人と話すのが楽しくて、ついつい時間を忘れて話し込んでしまうことも。もちろん、雑談だけでは終わりません(笑)。多くの人に笑顔を提供できるいまの仕事が本当に楽しくて、準備のために家で仕事をしていたら「気がつけば朝だった」なんてこともいまだにあります。
これほど仕事に打ち込めるのは、「仕事」をやらされているのではなく、なにか神様から与えられている気がするからなんですね。私は昔からお守りをもち歩いています。なんだか「信じる」ところがあるんですよ。小学生のころ、誰に見られていなくても掃除は一生懸命していました。「神様が見てくれてるだろう」って(笑)。まさに多くの転職希望者からのご要望、クライアント企業から期待に応えることが「志事」だと受け止めています。思い返せば私が就職活動中、小学生のときに起業した父親がずっと「ヒト」で苦労していたことをふと思い出したことも、なにか意味のあることなんでしょうね。いまの仕事を選んだ一番のきっかけですから。
お互いが幸せになる「出会い」を実現すべく、これからも走り続ける森本氏。走り続ける原動力は、母親からのある言葉が影響している。森本氏の「原点」ともいえる言葉だ。
母から「とにかく一番になりなさい」と言われ続けて育ったことは大きく影響しているでしょうね。「一番だからこそ見える世界がある。一番と二番には大きな差がある」と。確かに一番になれば称賛され、ヒーローになる機会が生まれる。そして、一番が続くと得たい情報が集まるようになり、それが大きなチャンスへとつながることに気づいたんです。そのときに思いました。「一番になるのは手段だ」と。
いろんな情報や機会をいただくためにも、一番を取り続けるだけの仕事をしていく。そうすれば、より多くのお客さまにメリットとなるような、輝き続けられる環境を提供できる可能性も高まるのです。どんな人にも、輝くためのポテンシャルはかならずある。そのポテンシャルを最大化できる場所を一緒に見出し、ご縁を紡ぐ使命が私にはあると思っています。森本家には家訓があります。「受けたご恩は倍返し」って。それが仕事にできていることは、本当に幸せだと思います。これからも、価値観がフィットするご縁を紡ぎながら、多くの人が輝ける社会を創造していきたい、そして後世を引き継ぐ子どもたちに明るい未来を届けたい…それが私の願いです。
これほど仕事に打ち込めるのは、
なにか意味のあることなんでしょうね。
プロフィール
1970年、滋賀県生まれ。1993年、株式会社リクルート人材センター(現:株式会社リクルートキャリア)に入社。企業に対する人材戦略コンサルティング、採用支援、転職支援などの業務に携わり、1年目からトップセールスとなる。その後、株式会社リクルートエグゼクティブエージェントに転籍、エグゼクティブ層の採用支援を行う。2017年3月には株式会社morichを起業、同年10月にリクルートを卒業、独立。オールラウンダーエージェントとして活躍。2012年にはNHKプロフェッショナル仕事の流儀に出演、オンラインメディアへの連載や『1000人の経営者に信頼される人の仕事の習慣』『No.1営業ウーマンの「朝3時起き」でトリプルハッピーに生きる本』など著書多数。
事業所概要
社名 | 株式会社morich |
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本社 | 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町1-17-1 神田髙木ビル7F BIRTH KANDA |
URL | http://www.morich.jp/ |
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